胡同の帰り道

――北京での生活について、日常の雑感を書き記していきます。

サンマロでの思い出、或いはケルト文化と日本の繋がり。

二年前の夏に友人とフランスに二週間ほど旅行に出かけた。パリにある主要な美術館などを巡りたいというのはもちろんだけど、それ以上に中国で知り合ったフランスの友人カップルたちに会いに行きたいという思いが僕たちにはあった。 友人たちの家でもてなしを…

美しさは普遍的であるということ――盧溝橋と抗日戦争記念館

五月のある晴れた日の午後に友人と北京の中心街から少し離れたところにある抗日戦争記念館を訪れた。この記念館の隣には日中戦争開戦の発端となった「盧溝橋事件」の盧溝橋がある。特に意識していたわけではなかったけれど、今年は1937年の日中戦争開戦から…

山西省一泊二日の旅ーー平遥古城と双林寺

先月の話になるけれど、山西省中部にある平遥古城と双林寺にまで足を運んできた。どちらも世界遺産に登録されていて、最近では北京からも高速鉄道が通るようになり、小旅行にはとても適したところだった。余談になるけど、山西省は縦に長い省で、上から晋北…

信州横断の旅(4日目、最終日)~満蒙開拓記念館~

tnkt41.hatenablog.com 旅行も四日目、最終日に。 前日の夕刻に阿智村の昼神温泉郷に入り、休息をとる。夕食では、鯉の煮付けを初めて食べた。聞くと近くの山の渓流でとってきたもので、身も引き締まっていてとてもおいしかった。ここは星がきれいな村だと聞…

信州横断の旅(3日目)~雪のなかの諏訪大社下社秋宮、春宮~

tnkt41.hatenablog.com 旅行三日目。宿で朝食を簡単に済ませてから午前中の時間を使って諏訪大社を含む下諏訪の観光に出た。 この日は朝から雪がこんこんと降っていた。諏訪湖に来る前に、ゲストハウスの人たちから、諏訪湖のあたりは標高が高いから須坂より…

信州横断の旅(2日目)~諏訪大社上社、前宮~

tnkt41.hatenablog.com 旅行二日目。朝早い時間に起きて、蔵のラウンジでみんなと少しだけ談笑をする。アメリカ人の彼と何人かの常連さんがスキーに行くということで、彼らが出発するのを見送ってから、僕もバックパックを背負って蔵を離れて駅へと向かう。 …

信州横断の旅(1日目)~小布施、須坂~

先月のことになるけれど、一時帰国の東京滞在を終えて関西に帰る途中に立ち寄った、三泊四日の長野旅行の記録を記しておこう思う。 初日は栗で有名な小布施にやってきた。 駅のロッカーにバックパックをあずけ身軽になり、観光案内所で小さなマップを一枚も…

マナンさん家での出来事

先日、マナンさんという大学の先輩が僕たちを招いてホームパーティを開いてくださった。実際には僕はマナンさんにお会いしたことはなく、友人たちがせっかくなら僕も一緒にということで誘ってくれた。地下鉄に小一時間ほど乗って、駅に近い閑静な住宅街を少…

バス停の彼女とクラスメートの彼ら。

先日、大学近くのバス停でバスを待っていたら、わりと綺麗な身なりをした同年代くらいの女性が突然声をかけてきた。いきなりのことだったので何を言っているのかよく分からず聞き返してみると、「私は今日、遠いところから北京まで旅行にやってきた。しかし…

三方を山に囲まれた、小さな川が数本流れる静かな街

小さい頃から僕を近くで見守っていてくれた、いとこのおばあちゃんが入院をしたので今日はそのお見舞いに行ってきた。ここ数日の天気はずっと曇りだったけど、今日は朝から冬らしいきりっとした青空で、病院の窓から低い角度で鋭くでも暖かく差し込んでくる…

朝とも夜とも言えない時間のはざまで

音楽を適当に流しながら帰省の荷物を整えていると不意にこの曲が鳴り始めた。 夜行バスに乗るときはいつもこの曲を聴いていたのだけど、ふと、この間夜行バスに乗ったのはいつのことだろうと思って少し寂しくなった。帰省する頻度が少ないからとこの頃はずっ…

本当の強さ

夏の話になるけれど、ふと思い出したので書き記そうと思う。 大阪四季劇場にてライオンキング鑑賞。 ライオンキングのことはほとんど何も知らなかったけど、それが逆に良かったのかもしれない。見どころたくさんで思ったこともたくさんあったけれど、死生観…

毎週水曜日のランチ(每周三的午餐)

毎週水曜日、僕は決まって学内のとあるカフェに集まった。 誰が言い出したでもなく、それがいつ始まったのかもよく覚えてないけれど、それはもうずっと昔からそう決められていたかのように、自然と僕たち4人は毎週水曜日のランチの時間になるとそのカフェに…

祝/言

天安門広場から少し東にいったところにある東単駅、その駅の近くにある劇場でお芝居を鑑賞してきた。タイトルは『祝/言』、劇団「弘前劇場」を主宰する長谷川孝治団長作の、日本の3.11と生き残った者たちのその後の生活をモチーフにした作品で、日中韓三カ国…

老舎『駱駝祥子―らくだのシアンツ 』

中国文学読書会、老舎『駱駝祥子―らくだのシアンツ 』。学のないひとりの車引きの物語。 北京の方言を使って書かれた本で、最初は言葉に慣れるのに苦労したけど、後半はぐいぐいと作品に引き込まれてそのまま読了した。 20世紀前半の貧しかった時代の北京の…

太宰治『津軽』

「在る年の春、私は、生まれてはじめて本州北端、津軽半島を凡そ3週間ほどかかって一周したのであるが、それは、私の三十幾年の生涯に於いて、かなり重要な事件のひとつであった。」 この一文から始まるは太宰治の『津軽』。編集者からの依頼により、太宰が…

世界は想像していたよりもずっと広いような気がした話

この一週間はたくさんの出会いがあった。 正確にはそれは新しい出会いというよりかは、前から知っていた人たちときちんと知り合えたと言ったほうが正しいのかもしれない。 様々な国からやってきた留学生と話すにつれ、世界各地域で流れている時間軸がどんど…