中国でのこと

忘れられた大砲、民宿の彼女、大和賓館--大連、旅順旅行記

この夏はチベットへの旅行のほかに、もう一つの長い旅行に出かけた。北京から実家のある関西まで、飛行機を使わずに陸路で帰るという制限のもと、大連→韓国→九州・中国地方と旅をした。 先日にブログにも書いた映画の影響に加えて、自分自身も一度東アジアの…

じゅんさいと鉄砲玉――青海省、チベット旅行記

6月の終りから7月の上旬まで中国西北部に旅行にでかけた。目的地は西寧とチベット、いくつかの印象的な出会いがあったので、備忘録として残しておこうと思う。 西寧では列車に乗ってチャカ塩湖まで出かけた。この列車は最近開通したばかりで、青海湖を迂回し…

『Soul Odyssey ユーラシアを探して』鑑賞会

今年の1月に渋谷のアップリンクで『Soul Odyssey ユーラシアを探して』というドキュメンタリー映画を観た。監督の渡辺真也さんはドイツの大学でヨーゼフ・ボイスとナム・ジュン・パイクのユーラシア研究をされていて、ある年の夏に日本まで陸路を渡ってかえ…

サンマロでの思い出、或いはケルト文化と日本の繋がり。

二年前の夏に友人とフランスに二週間ほど旅行に出かけた。パリにある主要な美術館などを巡りたいというのはもちろんだけど、それ以上に中国で知り合ったフランスの友人カップルたちに会いに行きたいという思いが僕たちにはあった。 友人たちの家でもてなしを…

美しさは普遍的であるということ――盧溝橋と抗日戦争記念館

五月のある晴れた日の午後に友人と北京の中心街から少し離れたところにある抗日戦争記念館を訪れた。この記念館の隣には日中戦争開戦の発端となった「盧溝橋事件」の盧溝橋がある。特に意識していたわけではなかったけれど、今年は1937年の日中戦争開戦から…

山西省一泊二日の旅ーー平遥古城と双林寺

先月の話になるけれど、山西省中部にある平遥古城と双林寺にまで足を運んできた。どちらも世界遺産に登録されていて、最近では北京からも高速鉄道が通るようになり、小旅行にはとても適したところだった。余談になるけど、山西省は縦に長い省で、上から晋北…

マナンさん家での出来事

先日、マナンさんという大学の先輩が僕たちを招いてホームパーティを開いてくださった。実際には僕はマナンさんにお会いしたことはなく、友人たちがせっかくなら僕も一緒にということで誘ってくれた。地下鉄に小一時間ほど乗って、駅に近い閑静な住宅街を少…

バス停の彼女とクラスメートの彼ら。

先日、大学近くのバス停でバスを待っていたら、わりと綺麗な身なりをした同年代くらいの女性が突然声をかけてきた。いきなりのことだったので何を言っているのかよく分からず聞き返してみると、「私は今日、遠いところから北京まで旅行にやってきた。しかし…

毎週水曜日のランチ(每周三的午餐)

毎週水曜日、僕は決まって学内のとあるカフェに集まった。 誰が言い出したでもなく、それがいつ始まったのかもよく覚えてないけれど、それはもうずっと昔からそう決められていたかのように、自然と僕たち4人は毎週水曜日のランチの時間になるとそのカフェに…

祝/言

天安門広場から少し東にいったところにある東単駅、その駅の近くにある劇場でお芝居を鑑賞してきた。タイトルは『祝/言』、劇団「弘前劇場」を主宰する長谷川孝治団長作の、日本の3.11と生き残った者たちのその後の生活をモチーフにした作品で、日中韓三カ国…

老舎『駱駝祥子―らくだのシアンツ 』

中国文学読書会、老舎『駱駝祥子―らくだのシアンツ 』。学のないひとりの車引きの物語。 北京の方言を使って書かれた本で、最初は言葉に慣れるのに苦労したけど、後半はぐいぐいと作品に引き込まれてそのまま読了した。 20世紀前半の貧しかった時代の北京の…

世界は想像していたよりもずっと広いような気がした話

この一週間はたくさんの出会いがあった。 正確にはそれは新しい出会いというよりかは、前から知っていた人たちときちんと知り合えたと言ったほうが正しいのかもしれない。 様々な国からやってきた留学生と話すにつれ、世界各地域で流れている時間軸がどんど…