読書

世界で一番タフな15歳の少年――『海辺のカフカ』を読んで

授業発表のために村上春樹『海辺のカフカ』(2002年、新潮社)を久しぶりに読み返した。前回読んだときは漠然と物語世界をイメージするだけで終わってしまったので、今回は精読を試みた。いくつかの気づきがあったので、ブログにまとめてみようと思う。 ――物…

じゅんさいと鉄砲玉――青海省、チベット旅行記

6月の終りから7月の上旬まで中国西北部に旅行にでかけた。目的地は西寧とチベット、いくつかの印象的な出会いがあったので、備忘録として残しておこうと思う。 西寧では列車に乗ってチャカ塩湖まで出かけた。この列車は最近開通したばかりで、青海湖を迂回し…

老舎『駱駝祥子―らくだのシアンツ 』

中国文学読書会、老舎『駱駝祥子―らくだのシアンツ 』。学のないひとりの車引きの物語。 北京の方言を使って書かれた本で、最初は言葉に慣れるのに苦労したけど、後半はぐいぐいと作品に引き込まれてそのまま読了した。 20世紀前半の貧しかった時代の北京の…

太宰治『津軽』

「在る年の春、私は、生まれてはじめて本州北端、津軽半島を凡そ3週間ほどかかって一周したのであるが、それは、私の三十幾年の生涯に於いて、かなり重要な事件のひとつであった。」 この一文から始まるは太宰治の『津軽』。編集者からの依頼により、太宰が…